狼ゴコロは愛のイロ
え?
俺には、あれでも衝撃的だったんだけど。
「どこでどう立っていても、関係なくて・・・でも会社とかは歩いていける距離じゃないし、時間を考えると、地下街に乗るしかなくて・・・」
彼女は毎回、地下街に乗るたびに、恐怖と戦っているのか・・・
「彼氏とかは・・・?」
「今はいません・・・守ってくれませんでしたし」
「そう・・・・・・・俺さ、仕事行くとき、さっきの地下街乗って、もう2駅のところで降りるんだけど、君は?」
「あ、あたしも同じです」
「ホント?じゃぁ明日から一緒に行かない?君のボディガードとして」
「え?」
あ、俺何言ってるんだ。
下心が無い訳じゃない。
でも困ってる彼女を放っておけなかった。
彼女は嫌がるかな?
「よろしくお願いします」
「え」
「とっても、心強いです」
そう言って笑った彼女を、俺は一生忘れない。
「綺麗だね・・・・・」
「え、え?」
「あ、ごめんなさい」
「いえ、こちらこそ・・・」
二人で顔を見合わせて笑った。
「俺は、宗苑雅って言います」
「私は三上玖美です。よろしくお願いします」
これが俺たちの出会いだった。