閑中八策
メイド・イン・ジャパンの復権なるか?
 自動車、家電、エレクトロニクスなどの日本企業のお家芸だった産業が韓国メーカーにやられっぱなしである。
 日本経済の将来に対する悲観論が多いのだが、最近やっと日本メーカーが本気になってきたのでは?と思える事例が出てきた。

 最近デスクトップ型パソコンを見に行ったのだが、日本メーカーの新製品にはもう「タワー型」は無いと知って驚いた。
 タワー型とは、ハードディスクや各種ドライバーを搭載した四角い箱型の本体があり、それにスクリーン、キーボード、マウスがセットで付いているタイプ。

 現在日本メーカーの新型PCはすべて「一体型」。
 スクリーンの裏側に従来の本体部分が全て埋め込まれていて、キーボードとマウスが無ければ薄型テレビに見える。と言うより、薄型テレビの設計技術をPCに応用した結果だろう。
 本体のタワー部分がないため、場所を取らないので、家が狭い日本では利便性が増す。

 現在薄型テレビの世界首位は韓国のサムスン電子であり、日本勢は影が薄い。
 だが、東芝のREGZA(レグザ)シリーズの「X3」型は久々に日本メーカーらしい新製品である。これは「グラスレス3D」と言って、あのメガネなしで3D映像を見られる。

 プロトタイプは数年前から出ていたが、画面サイズが最大20インチという小型の物しかなく、あまり話題にはなっていなかった。
 今は55型が出ていて、有機ELテレビを世界で初めて開発しながら大型化で韓国メーカーにお株を奪われたソニーと好対照になっている。

 この55型は値段が他の薄型テレビの2~3倍もするため、そう急には売れないだろうが、低価格化が進めば、韓国メーカーに真似できない最先端テレビになれる可能性が高い。
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