隣人は高校教師
すると、目線の先にはタバコを片手に黄昏ている彼がいた。
なんでいるんだー!
歩いて来るあたし達を見て彼が、おかえりーと言ったのと同時に、隣の陽菜が、あっ!!と叫んだ。
「佐々木先生?!」
!?
先生?知り合い?
軽くパニックになりながら2人を交互に見ると、一瞬彼はキョトンとしたが、あ〜と微妙な顔をした。
「何で?ここに住んでるの?」
「そう」
2人を一歩離れて見ていると、陽菜があたしを振り返って彼を指差した。
「高校の時の先生なんだー」
へーって、先生!?
「あなた仕事してたんですか!?」
その発言に陽菜は爆笑。
「あんたな、俺最初に高校教師やってるっつっただろ!
勝手にニートにしてんなっての。」
「ご、ごめんなさい。
絶対嘘だと思って信じてませんでした。」
「あはは!確かに先生ぽくはない!」
陽菜がケラケラ笑う横で本当に不機嫌な顔でムスッとしている彼に気づいた。
「ちょっと!謝ったんだからそんな顔しないでくださいよ。」
「…先生ぽいって何?」