隣人は高校教師


は?

ぽかんと彼を見上げると、勢い良く腕を掴まれ、無理矢理鍵を奪いドアを開けた。

「ちょっ!不法侵入……!!」

叫ぶ途中で彼が私の口を手で覆い、そのまま玄関へ倒れ込んだ。

「静かにして。
いい子だから。」

カツカツカツカツ

「みちーーー!!!
開けろー!いるんだろ!!
てめー、浮気ばっかしてんじゃねーぞ!」

隣のドアを叩く音が廊下に響き渡る。

「開いてる?入るからな!」

そう言って入ったらしい彼女の声が消えた。

今隣にいるなんて、ばれたら恐ろしい。

「…つーか、お前彼女でもなんでもねぇじゃん。
うぜーな、本当」

ポツリと言った彼の顔が本当に怖かった。

彼女でもなんでもない女があんな風に押しかけてくるか?
絶対気持たせる事したんだ!

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