愛は満ちる月のように
熱い吐息をあらゆる場所で感じる。

悠は彼女が想像できない場所まで口づけた。それは泣きそうになるほど切なく、蕩けるほど甘やかで……。“愛撫”という言葉の意味を途方もない快感と共に知る。

身体だけでなく、心まで無防備に晒されていく。

悠に触れられ、堪え切れずに口からこぼれる色づく息が、美月のガードを崩していった。


悠は優しかった。

その瞬間も。決して、乱暴に彼女の身体を知ろうとはせず……。美月の息遣いに合わせるように滑り込み、空虚な身体を満たしてくれた。


(私は……この世にひとりぼっちじゃないんだわ。ユウさんがそばにいてくれる。このまま……離れたくない)


汗ばむ悠の首に腕を回し、彼の肌に頬を寄せ――美月は生まれて初めて、人に裸の心と身体を預けたのだった。


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