もっと…
出会い
キーンコーンカーンコーン……


ホームルーム開始のチャイムが学校じゅうに鳴り響き、生徒達は慌てて教室に入る。




慌てるくらいなら、もっと余裕をもって学校に来なさいよ…。

いつもいつもチャイムギリギリに登校してきて…。



そんな哀れな生徒達をいつものように醒めた目つきで“川瀬梓(かわせあずさ)”は眺めていた。

川瀬梓(17)
人生を恨んでいるような醒めた瞳が印象的な彼女は、幼い頃から独りぼっち。決して彼女の性格がわるいとか、顔がブサイクとかでは無い。


むしろ、顔はめちゃくちゃ可愛い。可愛いというより、美人と言った方が正しいかもしれない。

身長も高くて、スラッとしている。



問題なのが………





「センセーの話長いしつまんない…」





毒舌…。



梓の毒舌にビビって、周りが自然と梓を避けてしまう。

本当は皆梓と話したいと思っているのだが………。



『川瀬さんって、近寄りがたいってゆーか……』


『そうそう。女王さまって感じで…』



…とまぁ、こんな感じで避けられている。



本人は全く気にしていない。
< 1 / 50 >

この作品をシェア

pagetop