もっと…

第一印象が大事

「1時間目に臨時の学年集会があるから、遅れず体育館に集合する事」



学年集会……!?


ダル…っ。






休み時間―――
「梓~、体育館一緒に行こっ♪」


「あーいいよぉ!」


こんな梓だが友達は居る。


長谷川朱里(はせがわあかり)
この学園に入学して初めて出来た梓の唯一の親友。名前通り明るい性格の彼女は、男女共に好かれている女の子。






1時間目―――
クラスごとに並んで先生が話すのを待っていると、主任が見知らぬ男を連れてきた。



割とイケメンなので、女子がキャーキャー騒いでいる。

ウザったい…。


「えー皆に紹介する。今日から2組の担任になる“新妻優”先生だ」


あ…そっか。2組の担任、産休に入るって言ってたっけ…。




「初めまして、新妻です。担当の教科は数学。数学が嫌いな人は手取り足取り教えるので、覚悟しておくよーに^^」



「「キャアーーー」」



な、なんだコイツら…。ただ微笑んだだけだろ?手取り足取りってなんだよ!!


…私、手取り足取り教えられるのかしら…。


数学…苦手なんですけど……。
他の教科は問題無いんだけどな。数学だけは…苦手。つーか、嫌い。だいっ嫌い!!!!




そのあと、新妻先生への質問を繰り返し、学年集会は終わった。



教室に戻り、窓際の一番後ろの席に座る。


はぁ~。窓際サイコー♪誰にも私のパーソナルスペース邪魔されないし。…いや、一人居た。


「新妻先生カッコ良かったね♪」


「んー、そーかな…」


「またまたぁ~。ホントはカッコ良いとか思ったんじゃないの?」


「んな事思う訳ないでしょ?イケメンとか興味ないし」


「はいはい♪でも、梓もいい加減彼氏作ったらぁ?美人なのにもったいないよ」


「男なんていらないわよ!!」



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