冷姫Ⅰ
今思えば私がバカだったんだ。
百季の総長である自分の顔と同じ顔をした陽が、周りから狙われないはずがないのに・・・。
陽には誰も守ってくれる人がいなかった。
「ただいま~」
いつものように家に帰ったのに、陽はいなかった。
こんなことは今まで一度もなくて、遅くなるときは必ずメールか電話をしてくれていた。
「陽!!」
嫌な予感がした。
「もしもし碧!?私の通ってる中学の中にどっかのチームに所属してるやつ探して!」
「もしもし白?今すぐチームを集めてほしいの!陽がいなくなった!」
百季のみんなもあったことはないけど陽の存在は知っていた。
私にとってどれだけ大切な存在かも。
『雪?見つけた!陽ちゃんと同じクラスの琥流ってやつが鋳薔薇の幹部だ』
「わかったわ。みんなを鋳薔薇の倉庫の前に集めて。私もすぐ行く」