LOVE STEP
「ちょっと奈央!聞いてる?」



「・・・・え?」


ボーっとしていた頭が、桜の呼び声で覚醒した時には、
もう私たちの目前には学校の正門がいつもと変わらずどっしり構えていた。




「もう学校ついたよ?さっきからボーッとしすぎ!!」



「ごめんごめん、最近寝不足なんだ」



適当な理由をつけて、正門をくぐると、不服そうな顔で桜が後をついてきた。



「今青春をenjoyしておかなきゃ、後で絶対後悔するよ!?」


「え・・・急に何?」



「だーかーら、奈央は時間を無駄にしすぎなの!!もううちら高校生なんだから、恋の一つや二つ・・・」



「はいはい」



桜の説教が始まる前に、とっとと逃げなきゃ。



「ちょっと、奈央!!」



朝から騒がしい桜に呆れつつ、また思いに耽る。





恋はしたい。

でも、何が恋なのか分からない。


きっとイケメンのアイドルや白馬の王子様が、「好きです」と告白してきたら、いくらか心が揺れるのかもしれない。


小説やドラマで見たかっこいい台詞に、きっと胸がときめくこともあるだろう。



でもそれは、恋なのだろうか?


上辺だけで、恋に落ちることができるのだろうか?


さっきから進まない思考に、だんだんと頭はこんがらがるばかり。


あぁ、もう考えるのはよそう。


そう決心して、少し前を歩く桜の背中を追い越した。


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