メルラバ

盲目の恋

結局、私は秋に返事を返すことが出来ないままに、一週間が過ぎた。

その間、秋からメールはなく、私は何かを忘れるように原稿に没頭した。


このまま秋からメールがこなければいいとも思ったし、メールがくればいいとも思った。


よくわからない。
私は知らない間に秋に恋心を抱いていたのだろうか?

顔も知らないのに?
ううん、人を好きになるのに顔なんて関係ない。

きっと私は秋の文章に恋したのだ。

妙に真面目だったり、そのくせ変に面白かったり、情緒深く思慮深く、秋は他人を思いやる心を持った人だと思う。


それは決して私の都合の良い想像ではなく、一応は作家として、ちゃんと文章からその人と成りを読みとることが出来る。
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