メルラバ
「待たせてごめんね」

そう言って助手席に乗り込んだ私を秋がジッと凝視する。

午後9時過ぎ。

薄暗い車内の中で、秋の瞳はやっぱり闇のように黒く、思わず視線を逸らした。

【Cherokee】が音もなく走り出す。

車内のキンと冷えた空気が私の無防備な腕や足の体温を奪っていき、少し寒いなと思う。

スカート短過ぎたかな。

何も言ってないのに秋が私のほうをちらりと見て、空調を少し緩めてくれた。
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