ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
食休みをした私は、案内されたお風呂で久々にお湯に浸かっていた。
「―――――はぁ…」
気持ちいい…。
目を閉じてあと5人は余裕で入れるだろう湯船で足を伸ばす。
傷口は妖弧直伝の薬ですっかりふさがっているらしく(普通なら何針も縫う怪我だろうに)、お湯もほとんどしみなかった。
そうやって私がのんびりとくつろいでいると、浴室の扉が開く音が聞こえた。
(…ん?)
「菜々美、湯加減は如何だ?」
がらがらという音のあとに聞こえた声に、私は固まる。