Be Alive - 痛みと傷を抱えて -
「 優輝っ 」
声が掛かった。
振り返った先に居たのは、体格のいい大人の男の人。
優輝のお兄ちゃんと分かるまでは、いつ逃げようかしか考えられずにいた。
大輝さんに睨まれたあたしは、蛇に睨まれた蛙。
動く事も出来ずに居ると、優輝が間に入ってあたしの事を説明してくれた。
事情が分かった途端、大輝さんは申し訳なさそうな顔をして謝罪とお礼を言ってきた。
大輝さんの笑顔であたしの恐怖心も無くなり、色んな話をして分かったのは、
大輝さんはその時17歳で高校には行かず、バイトで生計を立てていた事。
優輝とは腹違いだという事。
大輝さんと優輝の間に、光さんというお姉ちゃんがいる事。