Be Alive - 痛みと傷を抱えて -
年長の時の運動会。
元々、身体の弱かったあたしは持病の小児喘息の発作を起こし、練習期間に2日だけ休んでしまった。
休んでいた2日で、最後の種目の並び方や動き方が変わってしまっている事に気付かず、クラスの担任も教えてくれなかった事で休む前の並び方、動き方で動いてしまい、皆に迷惑を掛けた。
思わず、運動場に居た全員に聞こえる程の声で「 ごめんなさいっ 」と謝ったが、担任は顔が真っ赤になる程怒ってしまい、あたしの所に来た瞬間、平手打ち。
「 何で間違えたんだ!」と、もう1発の平手打ち。
余りの痛さに涙ぐむあたしなんか気にも止めず…
今度は引き千切れると思う程の力で耳を引っ張られ
「 お前は馬鹿か!皆に迷惑を掛けるな!この耳は何の為にあるんだ!」
…痛いっ!痛いよ先生…ごめんなさい!ごめんなさい!痛いっ!
…あの時、慌ててシスターが止めに来なかったら、本当に耳か引き千切られてたんじゃないかなって今も思います。
大人が怖くなった…
もう痛い思いはしたくない。怒らせない様に怒らせない様に。
ー自分を守る為に…ーーー
あたしが覚えたのは、大人の顔色を伺う事だった…。
幼稚園の中や公文、水泳、音楽教室では先生の顔色を伺い、家では母親の顔色を伺う。
父と祖母だけには、自然体の自分で接する事が出来たが…
悲しいかな…その自然体の自分を忘れるまでに、長い時間は要らなかった…。