気まぐれダーリン。
モテモテなとーる


時はぐーんと過ぎて、

楽しい冬休みも、嫌なテストも終わって、受験生だったころを思い出す2月初旬過ぎくらい。

今日はバレンタインデー、

友達や家族、大切な人、好きな人にチョコを渡す女の子にとって大切な日。


だけどあたしは、


「も~やだ。」

「まあまあ、仕方ないじゃない。」


今、超不機嫌。

だって…


「れーん、ただいま!」

「…お帰り」


あからさま不機嫌な声で返事をした。

これじゃ怒ってますって言ってるようなもの、

するとみかねた彩月が会話に混ざる。


「透くん朝からお疲れ様だね。」

「ん~、そうだね~」


そう彩月に返事をしてへらへらしてるとーるをみるとムカつく。

別にとーるが悪いわけじゃないけどさ、


「笹山~呼び出し~」


あ、まただ。

あたしが不機嫌な理由、

朝からとまらない告白ラッシュ、とーるの鞄に溢れそうなたくさんのチョコが原因。

あたしが彼女なのに…

みんなには関係ないのかな…

とーるの鞄が膨らむ度にあたしのモヤモヤも膨らむ。
あーやだやだ、モンモンする。


「ねぇ、れん」

「ん?」

「れんはチョコまだ渡さないの?」

「うん、何かタイミングなくて。」


あたしの鞄にあるチョコ、手作りなんて器用なことが出来なかったから買ったやつだけど…

どうしようかな、なんて。

あんなに手作りもらってるとーるみてたら渡しにくいなあ、













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