気まぐれダーリン。



昼休みが終わる五分前のチャイムが鳴り響く。


今日は屋上行けなかったな…
あの時間好きだったのに。


しょんぼりとひとりで落ち込んでいると、とーるがふわふわの髪の毛を揺らしながら帰ってきた。


「あ、とーる…」


がさごそと荷物をまとめだしたとーる、

何してるんだろ?と見ているとにこっと笑いながらあたしの方へ走ってきて、


「れん、サボろっか」

「え?」


あたしがぽかんとしているといつの間にかあたしの分の荷物もまとめていたとーる。


「ほら、行くよ!」

「ちょ、ちょっと!?」


どうやら本気らしい。


「とーる、どこいくの?」

「ん~、わかんない」


いやいや、そんな笑顔で言われても。

ほんと気まぐれだなぁ。


でも何か、楽しいかも


とーるに握られた右手を見ながらほほが緩んだ。








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