気まぐれダーリン。



「ね、れんはチョコくれないの?」

「…あたし手作りじゃないの。料理とか下手くそで、」

「手作りとか関係ないよ、れんからだったら何でも嬉しいよ?」


優しい声で凄くあたしを想った言葉をくれるとーる。


「んじゃあ、」


あたしは少し躊躇しながら渡した、

一時間くらい悩んで買った初めて好きな人に渡すチョコ。


ちゃんと、渡せてよかった。


「れん、ありがとう。」

「うん…」


あたしたちはどちらからでもなく、自然と唇を重ねた。


チョコじゃなくてあたしが溶けてしまいそうな、そんなバレンタインデー。






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