桜空あかねの裏事情

――やはりお見通しか。

アーネストは自嘲するように内で呟く。


「そうだね。出来たら教えてくれると嬉しいの だけれど」

「それは依頼か?それとも興味か?」

「両方……と言いたいところだけど、どちらかと言えば後者かな」


断定すればジョエルはしばし沈黙する。
そして窓から差し込む夕陽が完全に沈んだと同時に口を開いた。


「……いいだろう。お前とは長い付き合いだからな」


そう言ってジョエルは向かいあうソファに座るように促した。
アーネストは促されるままにソファに座ると、ジョエルは考える素振りをし始める。


「まず何から話すか……」

「とりあえず、何故リーデルにならないのか教えて欲しいな」


リーデルとはオルディネの頂点に君臨する者に付けられる称号で、他チームの頂点であるリーダーと同義である。


「簡単な話だ。私はリーデルには向いていない」

「実力は申し分ないのに?」

「それは長年の間に培ってきた賜物だ。あって当然だ。しかしリーデルになる者には、実力の他にも備わっていなければならないモノがある」

「……カリスマ性というものかな」

「例として挙げるならそれだな。私はそう言った要素を持ち合わせていない」

「確かに」


彼はリーデルになれば間違いなく、暴君が圧政を敷くような恐怖のチームと化すだろう。
自分中心な彼でも、そこのところはきちんと弁えているらしく、それを聞いて心なしか安堵する。


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