桜空あかねの裏事情


「それに私は頂点に立つ者を支える方が、性にあっている。人にはそれぞれに合った役割があると言う事だ」

「なるほど」


相槌を打ち納得したように繕うアーネストだが、それでもジョエルに対しまだ疑問はいくつか残る。


「次に陸人達だったな」

「うん。君ぐらいなら、それなりの異能者を集められるだろうと思うんだ」

「確かにお前の言う事も一理ある。しかしそれなりの異能者では困る」

「と、言うと?」

「陸人は知っての通り御三家の一つ、菊地家の三男。流石は異能者の名門だけあって資質は別格だ。あのやる気の無さと脆弱さはどうしようもないが、いるだけでもう一つの役割を果たしてくれている」

「……なるほど」


――そういうことか。

陸人がオルディネに所属するという事は、即ち菊地家と否応なしに繋がりが出来る。
御三家との繋がり。
それは思いのほか強固なもので、事と次第によっては後ろ盾になる可能性も充分にある。
流石は何年も不安定なオルディネを支える男。
どこを取って手も抜け目がない。


「ちなみ資質に関しては、朔姫も同様だ。あれは若いながらによくやってくれる」

「彼女は真面目だからね」

「そうだな。些かそれが問題でもあるが、二人は今後のオルディネを担ってもらう為に私が選んだ人材だ。然したる問題ではない」

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