桜空あかねの裏事情
「やっぱり、アロガンテとオルディネでは力の差があるから?」
アロガンテの順位などは知らないが、チーム内では中堅に位置している事だけは知っている。
現在ランキング一位であるチーム・ケイオスや、不動の二位であるアヴィドと比べれば大した事はないかも知れないが、今のオルディネにしてみれば、十分警戒すべき相手である。
「んー……アロガンテはランキング10位で、オルディネはランキング最下位。しかも所属人数も倍以上。普通に考えれば、挑んだら馬鹿を見るッス」
「……」
「まぁ、本当にそうだった場合はね」
「……どういう意味?」
訝しげにそう問えば、瀬々は思いの外すんなり話始める。
「ここ数年のアロガンテには、色んな噂があるんス。中でも有名なのが、所属者の入れ替えが激しいとかだったかな」
「変わってるのね」
「普通は所属したら、そのチームにずっといるもんスからね。でも先輩から聞くに、どうやら闇市で所属してる異能者を売買してるらしいんス」
信じられない事実を聞き、朔姫は思わず息を呑む。
「それは……本当なの?」
人攫いなどによって、行方知らずとなった異能者達が売買されている事実を、朔姫は知らなかったわけではない。
だがチームに所属している者が、あろうことが同じチームに所属する仲間を売る事など、到底信じ難かったのだ。
問い掛けるものの、真剣な面持ちの瀬々を見れば、答えは明白だった。
「行方不明になったアロガンテに所属していた少女を、先輩が闇市で発見した事があるので、間違いないでしょ。その上アロガンテの所属者は、ほぼ十代の少年少女。闇市で売買されるのも、十代の少年少女達が中心なので」
「……なら」
アロガンテによって連れ去られてしまったあかねも、それに含まれるのではないだろうか。
そんな不安に駆られる。