○○彼氏。【完】

「調子乗ってっとぶっ潰すぞ」


一人の男が一年の胸ぐらを掴んだとき、あたしはハッとして、


「こっちですー!!ここで喧嘩が起きてますー!!」


と、叫んだ。


もちろん、顔がバレないようにゴミ箱で隠しながら。


「ちょ、やべーじゃん!!」


「ちっ、ぜってー潰すからな」


そう言って男たちは走ってどこが行った。


その場に残ったのは、一年の男子とあたしのみ。


シーン・・・・とした空気に耐えきれず、「で、でわ…」と言って帰ろうとしたあたしの腕を掴んで、


「あの、ありがとうございました」


と、さっきの一年生がニッコリと笑っていた。

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