妖怪涼祭
また 鈴の音がする。

チリーン

オイデヨ・・・
「!?」
今度は声も共に。
幼い男の子のような声と低い声が混じった感じ。
狹姫は朶茅をみるがあまり気にした様子がない。
狹姫にしか聞こえない音の様だ。

チリーン

オイデヨ・・・

狹姫は眉間にしわをよせながらその声に心で応えた。

どこに?


ココニ・・・


ここって?


モリノナカ・・・・


彼女が 心で問い掛けるとその声は返ってくる。
狹姫は怖くなった。
自分が誰と話しているのか。
それさえも分からないのだから。
「朶茅。
ごめん 少しだけ頼ってもいいかな?」

彼女は迷惑と思いながら事情を説明した。
狹姫は最後に
ごめんね。
と付け足す。
朶茅は彼女の頭をポンッと叩き
「狹姫には俺がついいる。」
だから迷惑とかじゃないから。
好きでやってるから。
好きだから守りたいんだ。
と 手を握りしめてくれた。
彼女はその手を軽く握り応えた。
私も好きなんだよ、と。
彼女と朶茅は深い森の中へ進んだ。


チリーン

ソウダヨ オイデ・・・


しばらく歩いて
ある 開いた草地にでた。
周りは木だらけなのにそこだけ
切り開かれている感じ。



チリーン


ヨクキタネ・・・



周りの木々がざわめき
強い風が吹く。
二人の目の前に沢山の葉があつまっていく。

そして風が止み
葉が落ちた時
緑色の髪の毛の
男の子が現れた。
・・・・?
その子は狹姫をじっくり見て
目を離さなかった。
・・・怖い。
狹姫がそう思った時
「今、怖いって思っただろ?」
「!?」

その少年はまるで心を読んだように狹姫が
思っていた事を言い当てた。
でも まさか。
そんな事できるハズない。

「今、できるハズないって思っただろ?」
・・・・・。
なんですか。
プライバシーの侵害だよ・・・・。

「今、プライバシーの侵が「もう いいから!」

狹姫は 心を読んでしまう
緑の彼を黙らせた。
横で見てた朶茅は
何か勘違いしたのだろうか。
「・・・・友達?」
「違うッ!」
狹姫は会った事ない人なんだけど。と
朶茅に言った。

「お前は 何者だ?」
朶茅は緑の少年に聞いた。
確かに 得体の知れない人と一緒にいるのは
少し怖い。


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