わたしの魔法使い
当たり前のように雑誌や新刊の書籍が積まれている店内。

その中から自分が“面白い”と思える本を選ぶ。

それは贅沢なことだけど、少し面倒な作業でもある。

それに、僕の知る限り、面白い本は口コミで広がる。

それを書店ですることができたら……

店主が面白いと思える本だけを扱う。

ベストセラー以外にも、面白い本はたくさんあるから。

そんな本屋を、僕は作りたい。

父親のように……



まあ、彼のように失敗するかもしれないけど、僕には失うものが何もない。

家族も、恋人もいないから……




“本屋をやる”そう決めてからの僕は早かった。

豊富に資金がある訳じゃない。

だから借りられる物件の大きさも、揃える書籍の種類も限られる。

それでも、やりたいこと、置きたい本はたくさんあった。






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