わたしの魔法使い
朝日が顔を照らす。

味噌汁の匂いが鼻をくすぐる。


いいなー…

どこの家だろう…?

和定食の朝御飯…

味噌汁とご飯と、それに焼き鮭があると…幸せかも…


そんなことを思いながら目を開けると、

「おっはよー!」

「――!」


茶色い瞳が目に飛び込んできた。

一瞬、何が起きているのか理解できなかった。

目の前に茶色い瞳?




……

………あっ!昨日!



やっと思い出した。

昨日、颯太さんが住むことを許したんだ…

謎は多いけど、そう悪い人でもなさそうだし。


だけど!

息がかかりそうなほど近くで覗き込まなくても!

しかも、寝起きに!


そんな私の気持ちなんて知らない颯太さんは

「朱里ちゃんって、幸せそうな顔で寝るんだねー。」

なんて言ってる。


私の顔は一瞬にしてゆでダコ状態。


「あはは!朝から真っ赤だよ!」

「――うるさい!」


恥ずかしさのあまり、胸元の布団を頭まですっぽりと被った。

だけど、

「起きてー!布団外に干すんだから!」


抵抗むなしく無理矢理剥がされてしまった。

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