マスカケ線に願いを
「じゃあさ、今度大河原さんのとこに相談に行ってもいい?」
「それなら、これがうちの事務所の連絡先だから」
私は名刺を高島君に渡した。
「じゃあ、ご利用お待ちしています」
「他人行儀だな」
そんなふうな会話を織り交ぜながら、私達はそれぞれ久しぶりの再会を楽しんでいた。
「ああ、もうこんな時間か」
「あ、本当。あっという間だね」
楽しい時間ほど早く過ぎるものだ。
「名残惜しいけど、そろそろお開きにしなきゃ」
茜がそう言うと、京子が立ち上がった。
「その前にお手洗い行ってくる」
「あ、私も」
私は京子に続いて立ち上がった。店の奥にあるお手洗いまで歩いている途中、ふと向けた視線の先に、私は信じられない光景を見つけた。
「……ユズ?」
そこには、女の人と二人で食事をしているユズの姿があった。