トーカタウンの子供たち
「北の国は物騒ね」
「クーデターが成功したんだな。良い方向に進めばいいんだが」
今夜の夕食には父さんもいる。

「それからどうしたのクルミ」
クルミが今日あった他愛もない出来事の話をしている。
「それでねそれからね」
「そうか、それは父さんも見てみたいもんだな」
父さんも母さんもすでに北の国のことは忘れて盛り上がっている。

僕らは昨夜から今日だけでいろんな経験をした。僕らだけで海外へ渡り、謎のラビィたちを倒し、更にそこで悪い奴の人質になった。

僕らがいない間のことはミサキとサヤカちゃんがうまく誤魔化してくれていたみたいだ。

ハジメっちは両親が忙しくてお婆ちゃんとほとんどふたり暮らしのようなものだった。だから朝早くに出掛けたと伝えられ、夕方になっても帰ってこないハジメっちのことでひどく心配されたらしい。

「もう嘘つくのも限界だったわよ」
ミサキに怒られた。けどなんとなく優しかった。
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