下剋上はサブリミナルに【BL】
「はい?」


オレは思わず語尾上がりの、自分でもイラつく声を発した。


「だったら、先に行けば良いじゃん」

オレには関係ないんだから、と心の中で呟く。

しかしその言葉を聞くやいなや、洸の右眉がピクリと上がり、またたく間にその全身が怒オーラに包まれた。

「どの口がそんな事抜かしてんだ?」


あ、ヤバイ……。

「四の五の言わずとっとと支度しろ!この俺がわざわざ迎えに来てやったんだぞ!!」

「は、はいいいいい~~!」


オレはそう返事をすると、目の前のサラダやらハムエッグやらをマッハでかきこみ牛乳で流し込みつつ、慌てて立ち上がった。

そして5分後にはやるべき事を全てこなし、洸の傍らに息をゼイゼイさせながら立っていたのだった。

「まったく、いつもながらトロイ奴だな。行くぞ」

「う……」


ああ、悲しき条件反射。

もう、ツッコミたい事は山ほども谷ほどもあるんだけど、こいつに睨まれながら命令口調で何かを言われると、ついつい従ってしまう。

小さい時からその主従関係を嫌ってほど刷り込みされてきたから。


いや、誤解の無いように言っておくが、社長とその奥さんはとても良い方達で、使用人の息子だからってオレの事までこき使おうなんていう考えはさらさらない。
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