アンダーサイカ
息が詰まってしまいそう。でも、気が滅入ってしまうほどではないので、僕は「はいはい」と生返事をして、部屋の明かりを消しました。
とたんに暗くなる室内。
警備員さんは満足したのか、靴音を響かせて通路の奥へ去って行ったようでした。
「…………。」
陽の光の射さない地下街はまるで穴ぐらのように真っ暗で、静寂が耳に痛いくらい…。
ああ、ここは本当に、牢獄のようだ。
―――早く出たい。ここから出て、早く次の………。
そんな時に、僕はなぜか豊花ちゃんの接吻を思い出すのです。
「…………。」
僕の冷たい肌に触れた、あの温かな…懐かしくもある感触。
「………僕は………。」
誰も見ていない。誰にも見られない。
だから僕は膝を抱えて少しだけ…子供のように丸くなる。
それでも、張り付いた笑顔だけは消さないで。