アンダーサイカ


「…初めは冷やかしかと思いましたよ。
時々いるんですよね。地上人を装って商売の邪魔をする“お客様”が。

……ですが、どうやらきみは本物らしい。本物の地上人。
だって、僕達に対して“名前”を名乗ったのだから。」



「? ……っ?」


ヨシヤの口からまた新しい意味不明ワードが飛び出した。
地上人とか、名前がどうとか…。

その、塊たちとは違う得体の知れなさに、私は身震いする。
だってこの人の口ぶり、まるで私を…、



「初めまして、豊花ちゃん。

せっかく知り合えたところ、急で申し訳ないですけど、
僕はきみのことを“食べよう”と思います。」



…殺しそう、な…。



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