アンダーサイカ
父さんはとても正義感の強い人。だからこそ彼は警察官という、人々を護る任に就いているのです。
…それを初めは僕にも求めましたが、残念ながら僕は父さんの体力も筋力も受け継ぐことができませんでした。
だからせめて薬学で父さんの理想の息子になりたい。
…当時の僕の頭はそのことでいっぱいでした。
だって、この道を外れでもしたら……―――。
「よし、それでいい義也。
お前は私の息子だ。法を犯さず、決して人をおとしめず、他人のために尽くせ。
…いいか。一度でも罪を犯した時、私も妻もお前を息子ではなく、社会の敵として始末することを厭わない。
肝に命じておくんだ。」
罪を犯したら、父さんも母さんも…いや誰一人として、僕を愛してくれなくなる。
僕は“死ぬまで罪を犯さない”と心に誓ったのです。
固く、固く…。