アンダーサイカ


どうして忘れていたんだ。こんな大切なこと。


ヨシヤの最後の言葉が、私の胸を強く強く打つ。



『…どうか僕のこと、忘れちゃったりしないでくださいね―――。』



「…忘れないでって…ヨシヤ言ってたのに、私は……!!」



いても立ってもいられなくなった。

私は踵を返すと、そのまま力の限りに走り出す。
目指すは……旧斎珂駅地下街。


アンダーサイカへ。


私とヨシヤが出会った、あの世界へ。



「…ヨシヤッ…、稔兄ちゃん、みんな待ってて……!きっと…!!」



方法なんか分からないけど、きっと私が、


―――助けるから…っ!!



ヨシヤが助けてくれたように。



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