アンダーサイカ


「“エイリアン”に“組長”……。

なんだよ潤子、おれのとそう変わんないじゃん。
隠すことないだろ?」


潤子のほうに顔を向ければ、


「ああぁぁ……。」


珍しく、ひどく落ち込んでいた。
比喩ではなく、椅子の下に潜って顔も見せたくない…といった具合だ。

「こんなのってないわよ…。
皆まともだと思ってたのに、拓哉並みだなんて…。
頭おかしくなりそう…。」

「ひどい言い様だなぁおい。

……なあ、お前もそう思わねーか?」


ショックを受けた繊細なハートを慰めるために、拓哉は二人の脇で一番まともに作業していた“もうひとり”に声をかけた。


< 487 / 506 >

この作品をシェア

pagetop