ヤンデレパーティー


思考が段違い。
念のためすぎるだろう、どれだけ彼女とやらを美化しているのか。


「きちんと守らなくちゃねぇ。失いたくないから、彼女が他の奴に触れられるだけで憎いのに。ああ、殺したい。見つけたら、すぐさまいたぶろう。死ぬほど後悔させてから殺そう、必ず」


失う恐怖というよりは、行き過ぎた愛情の末路に思えた。


もうクルキの思考は何もかもが彼女に絡み、行動にしても全てが彼女を想ってのことか。


「深く、ずいぶんと深く愛していますね」


素直な感想を一つ。

クルキの口走りと同じ、特に意味を持ち得ない言葉でも。


「愛しているよ。もう俺は、彼女しか要らないから」


優しく微笑み、彼女以外の全てを捨てたとクルキは――ああ、本当に幸せそうに笑ったのだった。


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