ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「それにしても、君って本当に可愛いね。食べちゃいたいよ」


 そう言うなりたっちゃんは、私の顎の下に指を掛け、顔を急接近させて来た。鼻と鼻がくっつくかくっつかないか。つまりもう少しでキスされそうなぐらいに、近く。


「やめてください! お母様が戻って来ますよ!」


 私はたっちゃんを押しのけ、そう叫んでいた。咄嗟に出た言葉だけど、考えてみたら誤解を招く言い方だった、かも。


「そんな心配は要らないぜ? お袋さんは当分戻って来ないから」


 ほらね、やっぱり誤解されちゃった……って、えっ?


「だって、お母様は私に大事な話があるって……」


「あれは嘘。君をここに残すために、咄嗟に付いた嘘さ」


「な、なんですって!?」


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