ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 とは言っても、この顔を家族が見たらびっくりするのは間違いない。きっと質問責めになるだろう。どうせいつかは見られるにしても、その瞬間は少しでも先に延ばしたい。


 という事で、私は部屋の中で時間が経つのを待った。お父さんはもう出掛けた後だろうけど、まだ沙織がいるはず。朝ご飯は食べたいけど、我慢するしかない。


 ようやく沙織は出掛けていて、私もそろそろ行かないと学校に遅刻する時刻になり、部屋を出た。


 階段を音をさせずに静かに下り、廊下もそーっと歩いて玄関に向かっていたのだけど、


「彩花、今朝は遅かったのね?」


 後ろからお母さんに声を掛けられてしまった。


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