あの頃、テレフォンボックスで
それでも、ケイタは
私を愛することをやめなかった。

ぎこちない手つきで
ケイタが私を探り当てたとき、
涙が、声が、
私という人間のすべてが
一気に溢れ出した気がした。



・・・・ケイタ・・・・・



体中が、
じんわりと濡れてくるのがわかる。
まるで、泣いているみたいに・・・・





やがて、彼は
私の奥深くまで入ってきた。



ひとつになるって
こんなこと・・・・・・



いつのまにか
どこかに忘れてきていた
小さなカケラが
私の中に戻ってきて、
全てが満たされていく。


目を閉じていると、


私たちの中にある小宇宙が
果てしない
夜空の彼方に
吸い込まれていくような・・・・・



そんな感じがする。






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