あの頃、テレフォンボックスで
ケイタくんからの問いに
答えは書けない。


『メールなんて、あまり打つ機会がなかったから
一行打つだけで、
いっぱいいっぱいです』



・・・・いっぱいいっぱいなのは、

心、じゃなくて?


まさか、ね。



送信しながら、
ふと

そんなことを想った自分を
・・・ばっかみたい~~


と、ひとり笑ってみる。




すかさず鳴る着信音。



「もしもし?・・・・・・」

「ケイタです。」


「え?」

「いやぁ・・・・メールするのが、
まどろっこしいかな、
と思って。

ってゆーか、
俺がまどろっこしい・・・みたいな・・・」



心臓が
バクバクと音を立てて
鳴るのがわかる。


びっくりしたからよ。

何度も自分に言い聞かせる。



私たちは
他愛のない話をして、
それでも


電話を切ると

1時間経っていた。






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