あの頃、テレフォンボックスで
未来がテニス部の合宿に出かけて
2日目の晩だった。


『トーコさん
今夜うちに来ませんか?

マンションの屋上から
花火がよく見えるよ』

ケイタからそんなメールがきた。


今夜・・・・・
未来はいない。
夫は、先月帰ってきて
すぐに出て行ったきり。



『まさか、
あなたのマンションになんて行けないわ。
もちろん、他の場所で
花火を一緒に見るのも不可能よ』


もしも私が・・・・
何にもとらわれない立場であったなら・・・


いいえ、
それを思うなら


もしも私が・・・・
ケイタと同じ
高校生であったなら・・・



ありえないわ、

バカげたことを考えた
自分を笑う。
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