わたしは女の子になる。

「よし! 今度はボクが肩をもんであげよう!」

一通り彼の肩を揉み終わると、彼がそんなことを言った。


「えー…いいよー」

「やだ、やる!」

「………」

「やる!」

「……じゃあ、お願いします」


駄々っ子みたいな彼に折れて、今度は逆に私が椅子に座って、彼が私の後ろにまわる。

ていうか、肩たたき券もう関係ないじゃんこれ。なんて思ってつい笑ってしまう。


「とか言っておいて、俺他人の肩とか叩いたことない」


「嘘!? 皆で揉みあいっことかしなかった?」


「ぜんっぜん」


そう答えて、恐る恐るといった感じで、私の肩に両手を置いて、肩を揉んでくれる。
私の肩は、容易に彼の手の中に収まってしまう。

力加減をされすぎて、揉まれてるんだか、揉まれてないのか分からない。


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