わたしは女の子になる。

「…なんでオトン頭にタオル巻いてるの?」

「え? お風呂上がりだからじゃない?」

「……ってか、この体勢初めてかもな」

「そうかもねぇー。私、この体勢がちょうどいいかもー」


ちょうど顎が彼の頭にのっかる形になって、顔も見えなくて恥ずかしくなくていい。


「俺は立ってちょうどいいけどね」


顔は見えないけど、絶対ニヤニヤしながら彼が言う。


「おだまりっ!」


私が怒ると彼は楽しそうに笑った。
むうっとして、彼の頭をわしゃわしゃする。


「わしゃわしゃすんなぁー」


その流れで、首に腕を回してぎゅうっとしてみる。

……拒否らないのね。



ぎゅうっとすると、いつもの彼の匂いがする。
何のニオイってはっきりとは分からないけれど、優しい匂い。


「なんかさ、いいニオイするよねぇー」

「それ友達にも言われたことあるー! 『なんかお前体臭すんぞ!』って!」

「体臭って! いや、決して臭いとかじゃないんだけど、なんか独特のニオイするんだよねー。私は柔軟剤かなぁって思ってたけど」

「うちダウニー使ってますが」

「うちレノアだからわかんないです」


ダウニーでもなんでもいいけど、一緒にいると落ち着く、彼の匂いが大好きです。



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