雪が降る町~追憶のletter~
「たまには電話の一つでも寄こせよ、快斗!」
「はいはい」
「また、テキトーな返事だな!なぁ?晶ちゃん?」


大地が振ってきた話に可笑しそうに笑ってこくこくと頷きながら歩いていると、晶と快斗の家に着いた。


「ほんと、こんなヤツの幼馴染やってる晶ちゃんすごいわ!」
「や、何にもしてないし」


晶が笑って答えると、大地は大きく手を振って寒い夜の道を肩を上げながら歩いて行った。
その姿をややしばらく快斗と2人で見送ると、快斗が先に足を動かした。


「風邪ひくぞ」


そういって背を向けて少しだけ振り向き晶を見て、晶が動くのを待っていた。

門の手前で一度立ち止まる晶に気付いて快斗も立ち止った。


「―――ねぇ、快斗。あの手紙って···」

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