雪が降る町~追憶のletter~
“大ちゃんがくれたもので、快斗は知っていたんじゃないの?”


「手紙··もう捨てちゃえば」


晶の言葉よりも先に快斗が口を開いた。


「どうしてそんなこというの?」

(だって大事にしていること、一番よく知ってるのは快斗じゃない…!)

「もう10年も前の話だし、百歩譲って持っててもいいけど、もうそれに固執するなよ」

「別に固執してなんか···!」


そう反論しかけて、晶はやめた。
快斗に何を言っても通じない――と、そんな風に思ったわけではなくて。

単純に否定しきれなかったのだ。

固執と言われ、十分それに当てはまると、図星だったから。




「···もしも、差出人に辿り着きそうだとしても―――?」

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