雪が降る町~追憶のletter~
「桜井くんの話とかちょっと興味あるし」

「え?快斗の・・?」

「じゃあまた後で」


そう言い残すと真田は席を立ってどこかへ行ってしまった。
晶は真田の背中が見えなくなると、自席へと向かう途中のホワイトボードを確認した。


(今日は午後から内勤なんだ)


真田の動向を自然にチェックしてしまう自分がなんだか何とも言えない。
まるで気にしているような自分に、快斗に言われた言葉を思い出しては戒める。


(気を持たせたりなんか、しないもん)


そうして晶は任された仕事と、自分の通常の仕事とを問題なく進めているうちにあっという間に昼休みの時間になった。



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