雪が降る町~追憶のletter~
「お待たせしました~真田さん!」


ありさが笑顔でそういい真田に手を振ると、晶は未だに受け入れがたい事実に会釈をするのがやっとだ。


「何を急に立ち止まって話してたの?」

「いや、晶がっ··」

「いえ!何も!」


ありさのお喋りな口を塞いで晶は笑顔で言葉を被せると、3人はそのままさらに歩いて一軒の居酒屋に入った。


「ビール3つ」


テーブル席に通された3人はとりあえずビールを注文した。

晶とありさが隣同士に座って、ありさの前に真田が座る格好となった。


「あ、荷物置く?」
「あ…ありがとうございます」
「お願いしまーす」


真田は横の空席を指して二人にいつもの気遣いをみせると、それに甘えて二人はコートやマフラーを真田に預けた。

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