雪が降る町~追憶のletter~
「いや、おれは何にも知らない。あとは快斗に聞いたらいい」


大地はそう言うと手に持っていた手紙を晶ではなく快斗に渡してその場を去って行った。

大地の小さくなっていく背中を見た後に、晶は正面の快斗に向き合う。


「ちょっと···全然、わけがわからない···」


晶がとぎれとぎれにそう呟くと、快斗が手にしていた手紙を晶に渡した。


「その手紙、大地じゃない」
「今、そう言われたよ···」


晶は力ない声でそう答えながら久しぶりに手紙の中身を見る。
内容はほとんど暗記している。
それくらい強烈な印象と、想いがあったから。

だけど―――


「····あれ?」



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