雪が降る町~追憶のletter~

4.雪が降る町

「···」

晶の声に快斗は黙って様子を見ているだけ。
気付けば今日もまた、ふわりと雪が空から落ち始めていた。


「12月―――“2”···どっかで···」


晶は真剣な表情で食い入るように便箋を見ては独り言を言う。

さっきは“ハズレ”の糸を手繰り寄せていたが、今はなんだか違う気がする。きっと、この先にあるものは――――


「“2”が、同じ――――」


(――――快斗のメモと―――)


頻繁に見ることがなくなってきていた手紙。
綺麗な文字と内容だけは頭に鮮明に残っていたから。

今確認した文字を見ると、やっぱり中学生にしたら綺麗な文字で。

けれど、ひとつだけ。

ひとつ特徴があるのに今気が付いた。


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