雪が降る町~追憶のletter~
全てをぶつけた晶は固く手を握りしめて足元を見た。

そこにはまた新しい雪が次から次へと降り積もっていて、今までの足あとが綺麗に消えてなくなっていく。


「明らかに眼中になかった俺が、現れたって…がっかりしただけだろ」
「え··?」
「あの時、真っ先に俺にそのことを報告するくらいの存在だったんだから」


晶は快斗の言うことに、ひとつ思い出したことがあった。



『晶、それ貰った時快斗くんかなって思ったりしたの?』



それは以前ありさに言われた言葉。
あの時晶はすぐに否定出来なかった自分に違和感を感じたままだった。


「この前言ってた、差出人に『言いたいことがある』って何―――?」

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