雪が降る町~追憶のletter~


部屋に入ってコートを脱ぐと、無造作にそれを椅子に掛けてベッドに寝転がった。


晶は俺に何を話したかったんだろう。

ラブレターを貰ったからって自慢するような性格でもない。
かといって俺かも…って疑っているようにも見えなかった…。


晶…行くのか…


最後に言っていた晶の言葉を思い返して天井を見上げた。

来るって言ってるんだから、もうこの際喜べばいい。
『差出人は俺でした』って出て行けば、結局は同じこと……なんだろうけど…。

そう切り替えられなかったのは、怖くなったから。

晶の中ではあの手紙は俺からだなんてこれっぽっちも思っていなかった。
そう考える方が妥当だ。
なら、俺が告白したところで受け入れてくれる可能性もゼロに等しい。


もし…もし、そんな未来になるなら―――。


俺は自分の今の状況から逃げるように目を閉じ、眠った。

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