雪が降る町~追憶のletter~

約束の日



それからあっという間に終業式、クリスマスが過ぎて行き、12月31日。

晶とは特に変わらず過ごせていた…と思う。
もともとべったりだったわけじゃなかったし、それなりに顔を合わせれば話はしたし。

だから余計に不自然だと感じるくらい、晶からあの話題は出てこなかった。

そんなことを考えながら、俺は大みそかの夕方にどこかアテがあるでもなく近所を歩いていた。


「お?快斗?」


大みそかの夕方、そんな時間こんな住宅街には人影もほとんどなかった。
そんな中、背中から名前を呼ばれてはっとして振り向く。


「おーやっぱり!久しぶり!」
「ダイ…!」


そこに立っていたのは派手な赤いダウンのポケットに手を突っ込んで、二カッと笑うダイの姿だった。


「ダイ!帰ってたんだ」
「寮はこういう時期は追い出されるからな!」
「ははは!!」と豪快に笑う姿は今も健在。


そんなダイを見てるとなんだかほっとする。


「寮…か。ダイ、学校どう?」
「危うく冬休み返上で補習になるとこだった…!やべぇやべぇ」
「ふっ…ダイらしい。でも楽しそうだな、やっぱ」
「―――来るんだろ?」

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