雪が降る町~追憶のletter~


昼休みは昨日と同じようにありさと共に外へ出た。

今日はイタリアン。
昨日とは違って12時ぴったりに仕事を切り上げた為、時間に余裕があった。
パスタを前に、暫しの休憩を満喫する。


「ねぇ、その“白い封筒”ってさ。まだ持ってたりするの?」


パスタをフォークに絡ませるのをやめて驚いた表情でありさを見た。
なんで急にそんな話題を・・・と晶は思うが、ありさは単なる思い付きの話題なだけで特に深い意味はなかった。


「・・・あるよ」
「えっ!マジ!?」
「どうして?」
「いや~…私なら捨てちゃってるかも、なんて」


悪気があって言っているわけではない。

それはわかるんだけど、心の隅でちょっとだけ抗議する。


“どうせ私は未だ中学生の恋をしてますよ”


そう心の中で呟いて舌を出す。
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